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Troy Evans

Troy Evans

Adobe モバイル & デバイス部門
プロダクトマネージャー

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最新リリースの Adobe Flash Lite 1.1 について

Adobe は、昨年 2 月に Flash 4 のスクリプティングエンジンをベースにした新たな Flash プロファイル、Flash Lite をリリースしました。このプロファイルは、デスクトップ用 Flash Player 7 の全機能をサポートする為に充分な処理能力やメモリ容量を搭載しない、一般普及携帯電話をターゲットとして開発されたものです。

Flash Lite 1.0 をベースに開発された最新リリース、Flash Lite 1.1 にはネットワークとの接続性や、携帯電話特有の機能性ならびに各種標準規格のサポートなどが新たに追加されています。この記事では、これらの新機能を 1 つずつ解説しますが、その前に Flash Lite とその市場に関する概要を紹介します。

Flash Lite 概要

Flash Lite は、魅力的なインタラクティブマルチメディアを、一般的に普及する携帯電話上で体験することを可能にします。Flash Lite は、まず NTT ドコモグループの i モードサービスに採用され、NTT ドコモグループ、i モードサービス加入者、Flash デベロッパーの 3 者に大きな成功をもたらせています。

また、i モード対応携帯電話の普及や i モード対応コンテンツのダウンロード数は、既に統計からも実証されています。Flash Lite がプリインストールされている携帯端末機種は既に 25 種類存在し、これまで NTT ドコモグループが発表した端末機種の中で最速の普及速度を誇っています。

これらの統計以外にも、i モードコンテンツを提供するサイトの 35% もが、既に Flash に対応していることも特筆に値します。また、Flash は i モード 900i シリーズの i モードポータルホームページメニュー (携帯端末にプリインストール済み) にも利用されており、900i シリーズ購入者は、携帯の電源を入れるとともにインタラクティブマルチメディアを体験することができます。

Flash Lite は他にも、次に挙げる機能性を携帯電話端末に提供します:

  • HTTP を利用した、データとの接続性*
  • SVG のサポート* (再生のみ)
  • 携帯電話固有の機能へのアクセス*
  • 最新のコンテンツ開発キット (CDK)*
  • ベクターグラフィックのレンダリング
  • ビットマップ画像
  • グラデーション
  • 音声 - イベント音
  • SWF ファイルに埋め込んだフォントを利用する、静止テキスト
  • SWF ファイルに埋め込んだフォントを利用する、ダイナミックテキストや文字入力
  • デバイス独自のフォントを利用する、ダイナミックテキストや文字入力
  • フレームを利用したアニメーション
  • トゥイーンアニメーション - モーショントゥイーンおよびシェープトゥイーン
  • ActionScript スクリプティング - Flash 4 仕様のスクリプトをサポート
  • キーボードを利用したナビゲーション

* Flash Lite 1.1 にて新たに搭載された機能

これらの機能を利用すれば、漫画やゲームだけでなく、スクリーンセーバーや着信アニメーション、(同期 / 非同期) アプリケーション、各種ユーザーインターフェイス、教育用コンテンツ、ビジネスアプリケーションなど、ありとあらゆるコンテンツを携帯電話に対して配信することができます。

新たな市場がもたらすビジネスチャンスとチャレンジ

携帯電話専用の Flash Lite は、デベロッパーの皆さんに新たな市場を提供します。Flash Lite 用のコンテンツやアプリケーションは、Mac、PC プラットフォーム同様に Flash を利用して開発し、世界中の携帯電話端末上で再生することができます。

ただし、通常の Flash Player とは Player テクノロジーや配信モデルに異なる点があることに注意してください。現状では、各携帯端末メーカーは、それぞれ独自に Flash Lite をカスタマイズし、携帯電話の OS と統合する必要があります。

しかし、今後より多くのスマートフォン (Symbian、Palm、Smartphone、BREW 等) が市場へ投入されるに連れ、携帯電話への Player 実装モデルが改善されていくと考えられます。Web における Flash Player の普及同様に、Flash Lite も携帯電話市場のユビキタスな存在になる日が来ることを我々は確信しています。

Flash Lite: 携帯電話端末メーカーにとってのメリット

インタラクティブなコンテンツを携帯電話に提供する手段として Flash Lite が優れているのには、数々の理由があります。携帯端末メーカーや OEM、通信事業運営者に対して Flash Lite は、次のようなメリットをもたらせます:

リッチなユーザー体験

Flash Lite を利用すれば、サービス加入者が求める魅力的なコンテンツを提供できるだけでなく、リッチなインタラクティブユーザーインターフェイスや、モバイルアプリケーションを提供することも可能です。また、各種プロトタイプの開発や、ブラウザ / プラットフォーム / デバイスの違いを問うことなく再生できるモバイルコンテンツ / アプリケーションの作成には、世界中で 100 万人にも上るデザイナー / デベロッパーが日常的に使用している、Adobe Flash が利用できます。

実証済みの既存テクノロジー

Adobe Flash は PC 上におけるベクターグラフィックの標準フォーマットであり、現在この Flash エンジンを利用するユビキタスデバイスが急増しています。

既に確立済みの Flash デベロッパーコミュニティ

世界には既に 100 万人以上もの Flash デザイナー / デベロッパーが存在します。Flash Lite を採用すれば、これらのデザイナー / デベロッパーがリッチユーザーインターフェイスやゲーム、アニメーション、ビジネスアプリケーション、e ラーニングアプリケーションなどといったさまざまなコンテンツを提供することができます。Flash のデベロッパーコミュニティは、既にウォールペーパーや漫画、リッチユーザーインターフェイスだけでなく、ビジネス、e ラーニング、スポーツ、ニュース、気象情報などに関するアプリケーションの開発経験があり、これらの知識をすぐに携帯電話市場へも転用することができます。

Flash Lite 1.1 の新機能

Flash Lite 1.1 は、携帯電話専用のプロファイル、Flash Lite の最新バージョンです。このセクションでは、Flash Lite 1.1 の新機能を1つずつ紹介し、これらの機能がいかに携帯端末メーカーや OEM、通信事業運営者、コンテンツデベロッパーにとって重要かを解説します:

ネットワークとの接続性

Flash Lite コンテンツは、新たに HTTP 接続を介してサーバーとデータを交換することや、携帯電話へのデータストリーミングを利用することができ、さらに優れたユーザー体験が実現可能です。この新機能を利用すれば、デベロッパーは、各種データを必要に応じてダウンロードし、コンテンツを動的に更新するアプリケーションを開発することができます。Flash Lite 1.0 では、静的なコンテンツのみが視聴でき、コンテンツをリロードしなければコンテンツ内の情報を更新できませんでした。しかし Flash Lite 1.1 では、ニュース速報やスポーツ速報などのアプリケーションを作成し、コンテンツを動的に更新することができます。

モバイル SVG のサポート

Adobe では各種標準規格をサポートする方針を打ち出していますが、モバイル市場においてもこの立場に変わりはありません。Flash Lite 1.1 は、W3C が推奨するオープン規格スケーラブルベクターグラフィック、SVG-T の再生を新たにサポートしています。なお、MMS (Multimedia Messaging Service) 対応機器には、SVG-T 規格をサポートすることが 3GPP (第 3 世代パートナーシッププロジェクト) によって義務づけられています。携帯端末メーカーや OEM、通信事業運営者は、Flash Lite を実装するだけでこの要件を満たすことができます。また、Flash Lite は、さまざまな規格をベースにした複数のテクノロジーを利用するより簡単に携帯電話 OS と統合でき、実装作業の効率化にも貢献します。

携帯電話固有の機能のサポート

Flash Lite 1.1 では、電波の受信状況や日付、時刻、バイブレーター機能、表示言語、音声などといった、携帯電話固有の機能性にアクセスすることができます。デベロッパーは携帯電話環境に応じたコンテンツを作成することや、携帯固有の情報などをグラフィカルに表示することなどができ、より統合性に優れた体験が提供できます。

Flash Lite 1.1 コンテンツ開発キット (CDK)

この記事の公開を機に、Adobe では Flash MX Professional 2004 用 Flash Lite 1.1 コンテンツ開発キット (CDK) をリリースします。CDK にはサンプルやチュートリアルが含まれており、このキットを利用すれば、今すぐ各種プラットフォーム用のコンテンツを作成 / テストすることができます。CDK は、モバイル & デバイスデベロッパーセンターよりダウンロードできます。

メモ: CDK には Flash Lite 1.1 用コンテンツを作成するためのオーサリングガイドラインが収録されていますが、特定の携帯電話プラットフォームに向けたカスタマイズガイドラインを含みません。今後、新たな Flash Lite ライセンス取得者を発表し、それぞれのプラットフォーム用のガイドラインを公開していく予定です。

まとめ

Adobe では、Flash Lite が携帯電話に魅力的なリッチインタラクティブ体験を提供するための最適なソリューションであると確信しています。また、Flash Lite は、コンテンツ提供者や Flash デベロッパーの皆さんに、新たなビジネスチャンスを提供できるものであることを確信しています。是非この機会に、モバイル & デバイスデベロッパーセンターにて、Flash Lite の詳細をご覧ください。また、Flash Lite に関するご意見やご質問、ならびに Flash Lite ソリューションへの参加希望などは、私宛てに電子メールにてお寄せください。


筆者について

Troy Evans: Adobe モバイル & デバイス部門シニアプロダクトマネージャー