富山県立大門高等学校は、設立当初から情報教育に力を注いでいます。とくに、情報リテラシーの習得やコンピュータを用いた自己表現にウェイトを置いた授業実践はユニークです。Adobe® Photoshop® Elements、Adobe InDesign®、Adobe Premiere®など専門的なアプリケーションソフトを用いた授業が、どのような教育効果をあげているのでしょうか。「情報科学」を受け持つ江守恒明先生に伺いました。

大門高校では、1年生の1学期にインターネット・ブラウザ、ワープロ、表計算、プレゼンテーションなどのソフトを中心にコンピュータの操作方法を習得。そして2〜3学期になるとポスター、CMや新聞を題材に、分析・批評を行い、最終的にコンピュータを駆使して、ポスター、CM、新聞の制作を行います。とくに重要視しているのは2〜3学期の部分。ここでは、情報リテラシーを学ぶことに加え、抵抗なく自己表現できるようになることを目指しています。
「教科『情報』が始まったときに、コンピュータを使って情報についていかに学んでいけるかを考えました。そのためには、他の授業では教えられない考え方、“情報とは何だ”ということにウェイトを置いたほうがいい。そこで、物事を批判的に見られる視点を身につけて欲しいと思い、情報リテラシー的な要素も取り入れることにしました」と、江守先生。
コンピュータもソフトウェアもひとつの道具。大切なのは、大量の情報から適確に選択・処理する能力を養い、情報手段を適切に活用して発信する能力を身につけることだと、江守先生は語ります。これから世の中に出ていく高校生にとっては、コンピュータは操作ができたうえで、さらにその先にある、情報を活用する能力が求められているようです。

1年生の「情報科学」の授業では、1学期のうちにワープロや表計算、インターネットブラウザ、メールなどの基本ソフトの操作を習得。全生徒がサーバ上に自分のフォルダを持ち、授業以外でも自由に創作などに利用できるよう環境が整えられている

授業で制作した学校紹介の
ポスター
「ポスター制作」の授業は、出身中学の生徒たちに、大門高校の魅力をポスターで紹介しようというものです。
「まず、ポスターのもつメディアとしての役割を考え、学校紹介という目的に必要な情報を検討。それをふまえた上で手書きの下絵をおこし、内容やデザインレイアウトを話し合う、パソコンを使って作業する、そしてまた話し合う。つまり、アナログとデジタルを往復しながら、伝えたい内容をわかりやすく表現する方法を身につけさせることが目的でした」と、江守先生。
ポスターの制作段階では、Photoshop Elementsを活用しました。グラデーションツールやワープテキストのほか、不透明度を調整できるレイヤー、写真を背景になじませるエフェクトなど、様々な機能が、生徒の表現力やイメージを大きくふくらませたようです。
「手書きの下絵の段階では限界があったイメージも、Photoshop Elementsを使いこなすにつれて表現力が増していきました。想像以上のできばえになったと、生徒たちは喜んでいます。現在では、部活動の紹介や、学園祭など、授業以外の自主的な活動にも、Photoshop Elementsを利用して盛んにポスターがつくられています」。