mixi Radio:
Flash+FMS3 で実現する mixi 的音楽配信サービス

株式会社ミクシィが運営するSNS「mixi」では、今月から新たに「mixi Radio」という音楽配信サービスが追加されました。同社がmixi Radioを提供する上で目指したのは、「できるだけすべての音楽好きに、mixiらしいインターフェイスで音楽を届ける」「コンテンツホルダー(音楽提供者)の懸念を取り払う」ということ。そして、その実現のために採用されたのが、「Flash+Flash Media Server 3」からなるプラットフォーム&配信システムです。同社サービス企画部・太田雅登氏にmixi Radioの魅力と、アドビ製品を採用した背景を伺いました。

音楽を通じて人とのつながりを演出するmixi Radio

1,500万人を超えるユーザ数を誇る日本最大のSNSサイト「mixi」に、新たに追加されたのが「mixi Radio」という音楽配信サービスです。mixiのユーザであれば、mixiのインターフェイスの中でストリーミング配信される音楽を聴くことができます。mixi Radioをリリースした背景について、株式会社ミクシィのサービス企画部・太田雅登氏は次のように話します。

太田雅登氏「mixiは音楽と親和性が高いということを、以前から感じていました。mixiの中には、音楽関連のコミュニティも多く存在しているんです。メジャーなアーティストであれば誰とでも話が通じますが、マニアックな、コアなアーティストに関しての情報は、mixiのコミュニティ等でないと情報交換できないというケースもあります。」

そこでまずmixiがリリースしたのが、mixi Stationというアプリケーション。mixi Stationを起動しておくと、音楽ソフトで聴いている曲目情報がmixiにアップロードされて、他にどんなユーザがその曲を聴いているのか等がわかるというものです。

「こんな曲、自分以外に聞いていないんじゃないかという曲でも、mixi Stationで情報をアップしてみたら、他に10人も聴いていた・・・・・・ということもあります。この驚きは大きいし、多くのユーザに楽しんでいただけています。そして、mixiに曲目情報をアップするだけではなく、mixi上で音楽を聴きたいという要望も多くありましたので、1年ほど準備をしてリリースしたのがmixi Radioです。」

mixi Radioにはマイ・ラジオ、アーティスト・ラジオ、シャッフル・ラジオという3つの機能があります。マイ・ラジオは、ユーザの好みに応じて流れる曲が変化するのが特徴で、mixi上にある曲目情報に対して「スキ/ニガテ」を登録していくと、自分好みのラジオに育てることができます。また、他のユーザのマイ・ラジオを聴くことも可能です。

アーティスト・ラジオでは、自分の好きなアーティストを軸にして似たテイストの音楽が配信されます。また、シャッフル・ラジオでは、他のユーザが作成した曲目のリストをシャッフル再生することが可能です。いずれにしても、ユーザとユーザのつながりを重視しています。「ダウンロードで聴かせるなら、すでに他のサービスで満足することができます。mixiがやるからには、出会いや人とのつながりを大事にしたいですし、それが強みでもあります」と太田氏は話します。

ユーザの手を煩わせないためにFlashを採用

mixi Radiomixi Radioでは、音楽をストリーミングで配信しています。そのストリーミングを支えているのが、アドビのFlash Media Server 3です。ユーザは、Flash Player 9がインストールされたコンピュータのWebブラウザ内でmixi Radioの音楽を聴くことができます。

Flashを採用した理由について太田氏は、まずはプレイヤーという面から次のように説明します。

「ユーザインターフェイスにはこだわりたいと思っていました。まず、ユーザにアプリケーションをインストールさせるといったことは無くして、ブラウザ上で簡単に聴けるようにすることで敷居を下げたい。また、ガッチリとしたインターフェイスのプレイヤーではなく、mixiらしい表情豊かなインターフェイスを実現するために、Flashを使いたかったのです。そして、Flashと親和性の高いストリーミング配信技術は何かと調べる中で、Flash Media Server 3に興味を持ちました。」

さらに太田氏は「(以前からある)mixi Stationは簡単なアプリケーションですし、音楽機能だけをとっても100万人近い方々にお使いいただいていますが、それでもダウンロードやインストールが必要で、ハードルが高いんです」とも話します。そのハードルを下げるには、Flash Playerが最適な存在だったのです。

クロスプラットフォームである点も重要でした。「こういうサービスだとMac OSには対応しないというのがありがちですが、それだけはしたくなかった。私の周りでも、Macユーザの中には音楽好きが多い。本当に音楽が好きな人にサービスを届けられないのは、悲しいことです」と太田氏は話します。

音楽の配信は、AAC形式で行われています。

「音質にはこだわって、無料コースでは40kbps、有料コース(ミュージックプラス会員)では128kbpsのAAC形式で配信しています。40kbpsというと中途半端に思われるかもしれませんが、32kbpsのMP3では音質的につらい物がありました。」

AAC形式となるとFlash Player 9以上が必要になりますが、太田氏は「これまでのFlash Playerの実績からすると、かなり早い段階で普及するのではないでしょうか」と、見通しを話します。

Flash Media Server 3なら「コンテンツホルダーの理解が得られる」

同社がFlash Media Server 3に着目したもうひとつの理由が、コンテンツの保護でした。「mixi Radioのようなサービスを提供するためには、コンテンツホルダーの理解を得ることがとても重要です」と太田氏は話します。

「コンテンツホルダーに対して、Flashを採用するというお話をすると、各社ともセキュリティについて心配されるのが現状です。Flashというとどうしても、YouTubeのようにダウンロードできてしまうという印象を抱いているのです。」

そこで選ばれたのが、Flash Media Server 3を使い、RTMPE(RealTime Messaging Protocol Enhanced)による配信を行うというものでした。RTMPEとは、Flash Media Serverを通じて配信されるコンテンツを保護するための暗号化されたプロトコルです。128ビットでの暗号化に対応することで、従来のRTMPよりもストリーム配信される際の安全性がさらに強化されています。

「Flash Media Server 3やRTMPEについてのプレゼンテーションを行うことで、音楽が保存できてしまうのではないかというコンテンツホルダー各社の懸念を払拭し、理解を得ることができました」と太田氏は話します。

Flash Media Server 3を採用することで、mixiのユーザは新たなアプリケーションをインストール・起動させること無く、Webブラウザ上にある「mixiの世界観」の中で、音楽や音楽を起点とするコミュニケーションを楽しめるようになりました。そして、Flash Media Server 3のRTMPEを用いることで、コンテンツホルダー各社の理解も得られたのです。mixi Radioというサービスを実現する上で、Flash Media Server 3は欠かすことができない存在だと言えるでしょう。