Fireworks CS4 パブリックベータ

第2回 より多機能でスムースなアドビ製品間の連携

第1回目は、刷新され使いやすく作業に集中しやすくなったインターフェイス、レイアウト作業を手助けするSmartGuideやToolTipsなどを紹介しました。今回は、高速化したファイルの保存/読み込み、Photoshopファイルとの互換性の向上、クライアントとの円滑なコミュニケーションを実現するPDF書き出し&プレゼンテーション作成機能などを紹介します。

ファイルの保存、読み込みの高速化により快適性が向上!

Fireworks CS4では、ファイルの読み込みが高速化されています。特に、Fireworks CS3では待ち時間が長くなりがちだった、多量のページやレイヤー、シンボルを含むドキュメントで効果が大きく、作業の効率が悪くなるようなファイルの読み込みでもスムーズに行えるようになりました。Fireworks CS3から1つのファイルに複数のページを持つことが可能になりましたが、ページを複数作った場合、Fireworksのファイルサイズが増える傾向にありました。これまでも機能の強化に伴い、Fireworksのファイルサイズは増大する傾向にありましたが、読み込みが高速化されたことは嬉しい改善といえるでしょう。

非同期保存時のバーファイルの保存に関しても改良が加えられています。Fireworks CS4では、非同期保存が可能になっており、ファイルを保存している最中にも他の作業を行えるようになりました。これまでは、ファイルを保存している最中には他の操作をすることができず、作業が中断されてしまいましたが、非同期保存のサポートにより、連続した作業が可能になっています。保存を行っている間は、ドキュメントの左下にバーが表示され、保存中であることを教えてくれます。

Photoshopファイル読み込みダイアログにより、レイヤー読み込みの細かい指定が可能に

Photoshopファイル読み込みダイアログPhotoshopファイル(.psdファイル)を読み込む際、Fireworks CS3では普通のFireworksファイル読み込みと同様にファイルが読み込まれ、レイヤーが展開されましたが、Fireworks CS4では、Photoshopファイルを読み込むとダイアログが表示されるようになりました。このダイアログでは、読み込むPhotoshopファイルのプレビューが表示される他、レイヤーの読み込み方法を指定できます。Photoshopでのレイヤー状態とできる限り同じようにレイヤーを展開するか、レイヤーを統合して1枚のビットマップとして読み込むか、などが選択できます。また、変わったところでは、「Convert Layers to states」にチェックを入れると、読み込む際にレイヤーを各ステートに展開してくれます。Photoshopでボタン画像を作成し、レイヤーで普通の状態とロールオーバーした状態を分けておき、Fireworks CS4で読み込ませれば、ステートに振り分けてくれますので、簡単にロールオーバーボタンを作成することができます。

Adobe Text Engineの搭載により、ファイルの互換性が向上!

Fireworks CS4からはテキストエンジンが変更になり、Photoshopなどと共通のテキストエンジンである、Adobe Text Engineが搭載されました。これまでのFireworksでは、テキストを含んだPhotoshopファイルなどを開くと、テキストに設定されたカーニングなどがクリアされてしまったり、別の値になってしまったりして、きちんとPhotoshopで組んだレイアウトどおりに表現できない場合がありました。

閉じたパスのなかにテキストを配置Fireworks CS4では、テキストエンジンが統一されたため、これまで崩れてしまっていたテキストもきちんと表現、編集ができるようになっています。PhotoshopやIllustratorで作成したファイルをFireworksに読み込ませて編集する場合、互換性が無い部分では、表現がしきれず、悲しい思いをする場面がありましたが、今後はそういった思いをすることも無くなりそうです。

またこれまでのFireworksでは不可能であった、閉じたパスの中にテキストを配置することもできるようになりました。複雑な形を描き、中にテキストを入れる場合、これまでは非常に大変でしたが、今回からはテキストの機能で簡単に表現できるようになったため、表現の幅が広がるのではないでしょうか?

Fireworks CS4でのテキストに関する注意点として、以前とはテキストエンジンが変わってしまったため、これまでのFireworksとは動きが多少異なる点があります。例えば、書いたテキストのテキストボックスを縮小し、1文字分の横幅よりも小さくしたときに、バウンディングボックスと呼ばれる小さな赤いマークが付き、テキストは見えなくなります。

左寄せ、センタリング、右寄せも仕様が変わり、以前はテキストボックスにおいての場所を指定しましたが、Fireworks CS4では、Photoshopでのテキスト描画と同様の指定となり、テキストの各行の関係に対しての場所指定となっています。これまでのFireworksとは動きが異なるので、注意が必要だと思います。

選びやすくなったフォント

フォントのグルーピングフォント選択部分に改良が加えられ、フォントがグルーピングされるようになりました。同じフォントで文字のウェイトが異なる場合は、まずフォントを選択し、フォント選択プルダウンの右側のプルダウンでウェイトを選択するようになりました。一見作業が増えたように感じますが、フォントを大量に入れている環境では、目的のフォントを探すだけでも大変な作業かと思います。グルーピングされることで、フォントの表示数が少なくなり、目的のフォントにたどり着きやすくなります。また、ウェイトの変更が簡単になり、以前のように再びフォントリストに戻って探す、という作業は必要ありません。

PDFファイルの出力が可能に

PDFファイルの出力オプションFireworksでwebサイトのプロトタイプを作成している場合、クライアントにそのプロトタイプを見せる場面が多々あるかと思います。その場合、まずFireworksで作成中の作品をPDFなどの形式に変換した上で、クライアントに渡し見てもらう、という手順を踏むのが一般的です。しかし、従来のFireworksファイルからPDFを作成しようとした場合、煩雑な手順を踏む必要があり、何よりAcrobatなどのPDF作成ソフトが別途必要でした。

Fireworks CS4では、ファイルのエクスポート形式の1つとしてPDFを選択することができます。オプションボタンをクリックすると、書き出すPDFの設定を変えることができ、画像の画質やテキスト選択の可否などのほか、セキュリティも設定可能であり、必要に応じて、パスワードによる機能制限も行えます。PDFを使用して、クライアントに作品を見て貰い、PDF上にコメントを入れて貰うことで、簡単にクライアントの意向を収集できるようになっています。

SWF書き出しによるデモ、プレゼンテーション作成機能

Fireworks CS4では、これまでにもあったSWF形式書き出しが機能強化され、プレゼンテーションを行える機能が付加されました。

「Command」→「Demo Current Document」を選択することで、作成中の作品をプレゼンテーション用に書き出せます。書き出されるファイルは、HTMLファイルとページ送りをコントロールするためのボタンが埋め込まれたSWFファイル、画像ファイルからなっており、Fireworks CS4で設定したページを順番に表示させていくことが可能になっています。書き出したSWFファイルを表示するためのHTMLファイルが出力されますから、そのまま書き出されたファイルをサーバにアップすれば、ユーザに見てもらうことが可能ですし、プロジェクタなどに映し出して、プレゼンテーションとして使うこともできます。webサイトの試作品をプレゼンする際などに、作成中の作品を書き出せばそのまま使える機能であり、有用であると思います。

 

次回は今回お伝えできなかった、CSSと画像の書き出し、AIRアプリケーションの作成、AIRアプリケーション用コマンドの紹介などをしたいと思います。特にCSSと画像の書き出しは強力で、FireworksだけでCSSレイアウトができる機能になっています。ご期待ください。


関口氏写真関口和真(Kazuma Sekiguchi)
合同会社レゾリューションズ 業務執行社員

1980年8月 横浜市生まれ
2005年3月 関東学院大学経済学研究科経営学専攻修了 修士(経営学)
現在、関東学院大学経済学研究科経営学専攻博士後期課程在学中。研究と実業を兼ねながら生活中。紆余曲折を経て、2008年2月に合同会社レゾリューションズ を設立。
Fireworks は古くから使用している、サイト作りには無くてはならないマストアイテム。